概要
SAPHO症候群は、この病気の特徴的な症状である滑膜炎(S)、湿疹(A)、膿疱(P)、骨化症(H)、骨髄炎(O)の頭文字をとって命名されました。重度の湿疹に伴う関節炎、掌蹠膿疱症性骨関節炎、膿疱性乾癬、尋常性乾癬に伴う骨関節炎などを含んでおり、何らかのアレルギーが関連しているのではないかと考えられています。
症状
この病気には、関節炎が先行するタイプ、皮膚症状が先行するタイプ、両者が同時に発症するタイプがあります。関節炎は、前胸部や手足、脊椎、鎖骨などに痛みや腫脹、発赤などを伴います。四肢や鎖骨に非常に強い痛みが起こるケースもあり、患者さまは肩をすくませることが困難になったりします。皮膚症状としては、掌蹠膿疱症や掌蹠膿疱症性乾癬、湿疹が特徴的です。尋常性乾癬や膿疱性乾癬も多く、皮膚が盛り上がってきたり、銀白色のフケのような鱗屑が剥がれ落ちたりすることもあります。
診断と治療
皮膚症状が出ているときは、関節炎の合併などを考慮して検査を進め、確定診断につなげます。しかし、皮膚症状が出ていないときは、関節リウマチなどとの鑑別が必要となります。具体的には、細菌感染によって関節炎が起こっていないか、手掌角化症などの皮膚疾患ではないか、各種の抗がん剤で見られる関節病変ではないのか、などの除外項目もしっかりと見極めて対応します。
治療においては、主に薬物療法を行います。薬剤の進歩が著しい分野ですので、病状に応じて治療方針を決めていきます。