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膠原病

膠原病とは

全身性エリテマトーデス、リウマチ熱、強皮症、皮膚筋炎・多発性筋炎、結節性多発性動脈周囲炎、関節リウマチの6疾患が古典的膠原病と呼ばれます。

現在ではこれらの疾患に加えて、シェーグレン症候群、混合性結合組織病、成人スティル病、ANCA関連血管炎、ウェゲナー肉芽腫症、さらに、下記のようなリウマチ因子や抗核抗体が陰性である疾患も含まれるようになっております。

当院では、抗核抗体やリウマチ因子が陰性の疾患であっても、検査だけで否定せず近隣の大学病院と連携し精密検査、治療、安定したら、クリニック通院と大学病院との連携を進めています。

膠原病の発症原因

自身の免疫機能に異常をきたし、自分自身の身体を攻撃してしまう自己免疫反応により様々な症状が現れます。
なお、この免疫機能が自分自身を攻撃してしまうことは珍しいことではありません。
しかしながら通常は免疫機能の異常はしっかりと抑制されております。
ストレスや感染症などが原因となり、免疫機能の異常が抑制できなくなることで、膠原病のような自己免疫疾患を発症してしまいます。
紫外線や寒冷刺激、妊娠、外傷、手術、薬剤なども、膠原病の発症や膠原病の悪化の原因ともなります。

膠原病の症状

膠原病の症状は実に様々で、次のようなものが挙げられます。

  • 疲れやすい
  • 発熱
  • 筋力低下
  • 皮膚の硬化
  • 特徴的な発疹の出現
  • 抜け毛
  • 空咳 等

その他にも唾液の分泌が少なくなったり、涙の分泌が少なくなって目が乾いたりといった自覚症状が現れることもあります。
また尿検査の結果、蛋白尿が検出されたり、血液検査によって貧血や白血球の減少がみられることもあります。

膠原病によって影響を受ける臓器も多岐にわたっており、代表的な膠原病の一つである全身性エリテマトーデスの場合は主に皮膚や脳、心臓、肺、腎臓など、全身性強皮症の場合は皮膚や肺、胃腸などに影響が現れます。

膠原病の治療方法

膠原病は前述の通り免疫機能の異常が原因となっているため、その治療には異常な免疫反応を抑える免疫抑制療法が基本となります。
過去には強力な抗炎作用と異常な免疫作用を抑える働きを持つ副腎皮質ホルモン薬を用いた薬物療法が主流でしたが、近年はより安全な免疫抑制療法、生物製剤療法が近年非常に進歩しており、膠原病をコントロールしやすくなっています。

当院でもなるべくステロイド剤を減らすべく治療を行っております。

膠原病の種類

全身性エリテマトーデス、リウマチ熱、強皮症、皮膚筋炎・多発性筋炎、結節性多発性動脈周囲炎、関節リウマチの6疾患が古典的膠原病と呼ばれます

さらに現代では多数の疾患が見つかりましたので、具体的には、「膠原病関連の病気」をご覧ください。

膠原病の予防と治療後の留意点

膠原病の症状には重くなったり、軽くなったりを繰り返す等の特徴がありますが、発症後は病気と共存しながら、できる限り普通の日常生活を送ることを目標とします。
日常の注意点としては十分な睡眠やバランスの良い食事など、規則正しい生活を心がけることが大切です。

全身性エリテマトーデス

全身性エリテマトーデスは、顔に蝶々のような形の紅斑が特徴的な自己免疫性疾患です。膠原病の中では罹患率が比較的に高く、特に20~30代の女性が多く発症します。この病気になると、全身症状と皮膚関節症状が出現します。このうち全身症状としては、発熱や倦怠感などがあります。皮膚関節症状としては、手や指が腫れて関節炎を起こします。肘や膝などの大きな関節に、日によって場所が変わる移動性の関節炎が見られることもあります。

この病気は太陽光によって悪化することがあるので、海水浴や日光浴、スキー等をしないようにすることが大切です。治療薬を指示通りに内服し、風邪などひかない健康的な生活を行うことも重要です。なお、治療薬の副腎皮質ステロイドは食欲が出てしまうことがあるので、食事の内容と量に注意して適切な食生活を送るように心掛けてください。

混合性結合組織病

この病気は、全身性エリテマトーデスと強皮症、多発性筋炎の症状が混在しているため、一般には膠原病の重複症候群の1つと考えられています。どの年代にも起こりうるのですが、30~40歳代の女性に多く見られます。混合性結合組織病になると、発熱や顔面紅斑、手指の皮膚硬化、間質性肺炎などの多様な症状が現れます。こうした症状は全身性エリテマトーデスや強皮症に似ているため、血液を採取してRNP抗体などを調べます。

膠原病の症状は全身の様々な部位に及びますが、混合性結合組織病以外の場合、三叉神経障害が起こることは比較的に少ないと言われています。従って、顔の一部がピリピリしてきて、なかなか症状が治まらないときは、この病気が疑われます。患者さまによっては肺高血圧症などの重篤な合併症を引き起こすこともあります。胸部に痛みを感じたり、動悸や息切れが頻発するときは特に要注意です。

多発性筋炎/皮膚筋炎

多発性筋炎は、筋肉の炎症によって力が入りにくくなったり、少し運動しただけでも疲れやすくなってしまう病気です。この中でも、筋肉の痛みなどと同時に特徴的な皮膚症状も出現するものを皮膚筋炎と呼んでいます。手指の関節背側が盛り上がってくるタイプの紅斑、肘関節などの外側がカサカサしてくるタイプの紅斑、まぶたが腫れぼったくなる紅斑などが代表的です。50歳以上の女性に多いのですが、5~14歳ぐらいのお子さまにも発症することがあります。

この病気は主にお薬によって治療を進めます。一時的に痛みなどが治まることもありますが、患者さまが勝手に判断して服薬を止めてはいけません。主治医の指示を守り、きちんとお薬を飲むようにして下さい。さらに、食事を見直し、栄養バランスのとれた食生活を心がけましょう。治療によって筋炎が収まってきたら、主治医の助言をもとに少しずつ運動をしていくことも大切です。

シェーグレン症候群

40~60歳の女性に多く発症する自己免疫性疾患です。1933年にスウェーデンのシェーグレン博士(眼科医)によって命名されました。この病気になると、口の中が乾燥して食事の味が分からなくなったり、虫歯が増えたりします。眼も乾燥するので、ちょっとした光でも眩しく感じたり、痛みが起こったりします。朝起きたときに関節が強張ることもあります。

現時点ではシェーグレン症候群を根本的に治癒させることは出来ません。そのため、お薬によって症状を抑えるとともに、生活習慣を見直すことが大切です。規則正しい生活を心がけ、ストレスを避けるようにしましょう。バランスのとれた食事、食後の歯磨き、適度な運動、入浴なども一定の効果があると言われています。

全身性強皮症

強皮症は30~50歳の女性に圧倒的に多く見られる病気です。限局性強皮症と全身性強皮症があり、それぞれ全く異なる特徴があります。限局性強皮症の場合は皮膚のみの症状にとどまるのですが、全身性強皮症の場合は内臓も硬くなり、逆流性食道炎や肺塞栓症などの原因ともなります。

主な症状としては、半数以上の患者さまにレイノー症状が見られます。冷たいものに触れたり、冷えた空気に触れたりしたときに手足の指先が白っぽくなる症状であり、患者さま自身でも気づくことが出来ます。病気が進行すると、皮膚が硬くなり、手背や前腕などが強張ってきます。さらに進行すると、身体の中心部にまで影響が及ぶこともあります。

結節性多発動脈炎

結節性多発動脈炎は、中型の血管の動脈壁に炎症が起こる病気です。膠原病は比較的に女性に多く見られるものが多いのですが、この病気は40~60歳の男性に多く見られます。中型から小型の動脈は腎臓や腸、脳などに血液を送っているので、血管壁が破壊されると血流が悪くなり、動脈瘤が作られたりします。

このように全身の血管に血流障害が起こるので、全身に様々な症状が出てきます。両足に網状の暗赤色の皮疹が生じたり、消化管に向かう動脈が炎症を起こして食後の腹痛が起こったり、腎臓に何らかの障害が起こったりするのです。ときには心筋梗塞や腸管穿孔の原因ともなりますので、出来るだけ血管に負担をかけないような生活を心がけましょう。

院長
菱山 美絵
診療内容
関節リウマチ、膠原病、膠原病類縁疾患(難病指定疾患)、線維筋痛症、コロナ感染症後遺症(痛み、だるさ等)、女性内科(リウマチ合併妊娠、出産、更年期のご相談)、アレルギー疾患、一般内科
休診日:木曜日、日曜日、祝日  
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