関節リウマチの診断方法
関節リウマチはただ一つの検査だけで決まる病気ではありません。
現在、早期治療を言われている、抗CCP抗体陽性の場合であったとしても、関節リウマチにおける抗CCP抗体の感度は60~80%、特異度は90~95%以上ではありますが、完全ではありません。
そのため、各国の診断基準があり、日本リウマチ学会(JCR)、アメリカリウマチ学会(ACR)、ヨーロッパリウマチ学会(EULAR)があります。院長が聖マリアンナ医科大学の難病治療研究センターで滑膜を拝見していた時から滑膜細胞の増生そのものは非特異的な反応で、それだけでリウマチと決まるものではありませんでした。
そのため、各国からの基準があり、常にアップデートしていることを患者様も知っておくといいと思います。
日本リウマチ学会からはこちらの基準がが提示されています。
EULARからは下記の基準があり、臨床医はそれを参考にしていますが、それに縛られるのが絶対とは言えないため、自分の症状が『似ているけれども少し違う』『何と取っていいのかわからない』方はご相談ください。
ACR/EULAR RA分類基準(2010年)
(Arthritis Rheum 2010,62:2569)
1か所以上の関節腫脹があり他疾患で説明できない場合、6点以上でRAと診断する。
腫脹または圧痛関節数
- 大関節(肩・肘・股・膝・足関節)
-
- 1か所:0点
- 2か所以上:1点
- 小関節(MCP、PIP、MTP、手関節(母趾MTP関節は除く))
-
- 1~3ヶ所:2点
- 4か所以上:3点
- 小関節1か所以上を含めて10か所以上(顎、肩鎖、胸鎖関節を含めてよい)
-
- 5点
- RFまたは抗CCP抗体
-
- 両方陰性:0点
- どちらかが低力価陽性:2点
- どちらかが高力価陽性(基準値の3倍以上):3点
- CRPまたは赤沈
-
- いずれも正常:0点
- いずれかが上昇:1点
- 関節症状の持続
-
- 6週間未満:0点
- 6週間以上:1点